僕とミッシエルガンエレファント

ギターのしょうです。

カバーをしたいなーと思っている。

僕は今までコピバンの経験がない。

影響を受けたバンドは沢山ある。
・くるり
・GRAPEVINE
・ナンバーガール
・ゆらゆら帝国
・スーパーカー
・Red Hot Chili Peppers
・OASIS
・Radiohead
他にも枚挙に暇がない。

そして

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
(※以下ミッシェル)

僕がバンドを始めたいと思ったきっかけはミッシェルだった。

そして、コピーバンドを諦めたきっかけもミッシェルだ。

中学3年生のとき「青い春」という映画を観た。
豊田利晃監督作品。
松本大洋の短編「しあわせならてをたたこう」が原作。(内容は結構違う)

九條(松田龍平)と青木(新井浩文)を軸とした退廃的な青春映画。

映画終盤、唐突に画面中央に真黒に塗り潰された校舎が映し出される。

音が止まる。

突如「ッガガガガガ！」と聴いたことのないような音のギターが鳴り出す。
校舎の屋上のフェンスから手を離し手を叩く青木。

演奏にドラムとベースが入る。
屋上に向かい走り出す九條。

次の瞬間「お"お"ぉ！！」とやはり聞いた事のないような声でボーカルが入る。
チューリップが咲く。
青木の頭上を遠近感のおかしい飛行機が飛ぶ。

「将来の夢はパイロットでした。」
青木が呟く声。

僕はこのシーンにやたら感動した。
得体の知れない物に触れたような。
多分あれが所謂『 初期衝動』というやつなんだと思う。
あまり音楽を聴いてこなかった僕が「バンドサウンド」というのを初めて意識した瞬間でもある。

エンドロールでは同じ曲がLIVEバージョンで流れる。
クレジットを確認すると、
どうやらミッシェルガンエレファントの「ドロップ」という曲らしい。

僕は観終わるとすぐレンタルショップ(今はもう潰れている)に向かい、
マ行のコーナーへ。
ミッシェルのコーナーを発見。
CDジャケットを1枚ずつ裏返し「ドロップ」が入っているアルバムを探す。

見つけた。

アルバムタイトルは「カサノバスネイク」
ジャケットにはガラの悪い凶暴な面の男が4人。少し気だるそうにこちらを見ている。

家に帰りCDをコンポに入れる。
再生ボタンを押す。

1曲目
「デッドスターエンド」が流れる。

なんじゃこの曲名は？
なんじゃこの凶暴な音は？
なんじゃこの強烈なしゃがれ声は？

なんじゃこりゃー！？の連続だった。

「ドロップ」が目当てだったけど全曲聴いた。
僕の知らない世界だった。
他のアルバムも全部聴いた。
あれから20年近く聴き続けている。
何かに「ハマった」経験もこの時が初めてだと思う。

それからしばらくして、高校2年生の頃だったと思う。

友達にギター一緒に始めない？と誘われた。
特に趣味もない僕は二つ返事でOKした。

しかしながら、軽音部に友達がいるわけでもないし、何から始めれば良いのか分からない。
とりあえず2人でギター教室へ通うことにした。

三日坊主に終わった。
ギターはベットの下にしまった。

高校生活はそれなりに楽しかった。
親友と呼べるような友達も出来たし、初めて彼女もできた。
とくにベットの下のギターを思い出すこともなかった。

転機が訪れたのは高校三年生のとき。
僕は彼女にフラれた。
あれから今日まで随分経つけど、落ち込み具合でいうと未だに人生TOP3に入るんじゃないかと思う。

ポカンと隙間の空いたまま時間が流れる。
何かで隙間を埋めないと発狂しそうになる。

何気なくベットの下のギターを引っ張り出す。錆びた弦のままチューニングを合わす。

「これで隙間を埋めよう」と思い立った。

楽器屋へ行き、バンドスコアを買う。
お目当ての曲のページを開く。

「ドロップ」

その後、紆余曲折あってバンドを組むことになる。
初めて合わせた曲は言わずもがな。

初めてスタジオに入った時は凄く高揚して、
誰が聴いてる訳でもないのに緊張した。
とりあえずアンプのツマミを全て12時に合わせ、力任せに弦を弾いた。

「ぎゃーん」と音が鳴った。
(良い感じ？)

準備完了。
生まれて初めてバンドで曲を合わせた。

そして合わせてすぐコピバンを断念した。
コードも構成もリズムもめちゃめちゃシンプルなのに全く上手くいかなかった。

どれだけ音を歪ませてもアベフトシみたいなギターは弾けないし、
どれだけ絶叫してもチバユウスケみたいな声は出なかった。

もちろん技術的な課題もあったんだけど、上手くなったからどうなる問題じゃないと下手なりに理解した。

先日、僕の好きなラッパーGOMESSがTwitterで以下のように発言をしていた。

「(前略)ゲームのプレイ動画を見るのと、ゲームをプレイするのは違うし、ゲームをメイクするのもまた違う。当然のことじゃないか。」

この感覚が近いような気がする。

僕はすぐオリジナル曲を作ることにした。
早いもので10年以上が経った。
最近、「ドロップ」をカバーしてみたいと思った。

今年は何となく勝手に人生の節目になるような気がしている。
この予感が正しいかどうかは分からないけど、このタイミングでカバーしたら10数年前にコピーした時とは違う思いが生まれるような気がする。(願望かも)

だらだら長い文章になってしまった。
要は、「バンドっていいよね～」って話。

青い春
https://www.amazon.co.jp/dp/B00006FMEC/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_v-xbGbD3TJJ5H
劇中に随所にミッシェルの曲が。
「赤毛のケリー」
https://youtu.be/fDffAqkzWTY
とか
「ブギー」
https://youtu.be/O3f5oDn0OV8
とか。
肝心の「ドロップ」は公式チャンネルに動画なし。。

最後に僕らの曲も是非。良く聴くとかけ離れてるようで随所にミッシェルの影響があったりするのです。。
連帯責任 ハローイエロー
https://youtu.be/xZkpKNRFLrw